皆さんこんにちは!
ゆきヘル店長と申します。
営業とは何か――。
営業歴16年、北海道で店長を務める私も、この問いにずっと向き合ってきました。
新人の頃は「営業=モノを売る仕事」だと信じ、数字や契約のために押し売りに近いこともしました。
しかし、そのやり方では信頼は長続きせず、売上も安定しません。
何度も壁にぶつかる中で、私がたどり着いた答えがあります。
それが「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」という考え方。
近江商人の商売哲学に基づいたこの理念は、営業という仕事の本質をシンプルに言い表しています。
この記事では、現場経験から見えてきた三方よしの営業術と、その実践方法をお伝えします。
営業に迷いを感じている方、長くお客様から選ばれ続けたい方にこそ読んでほしい内容です。
営業は“モノを売る”だけではない
営業というと「商品を売ること」「会社に貢献すること」「実績を出すこと」「数字を追うこと」が真っ先に思い浮かびます。
確かに、これらは営業活動の重要な要素です。
しかし、それだけを目的にしてしまうと、売上は一時的に伸びても、長期的な信頼は築けません。
営業の本質とは、お客様が「自分にとって最良の選択ができる状態」に導くことです。
単に売り切るのではなく、お客様が納得し、喜び、長く使い続けられる形で選んでもらうことが大切です。
売上だけを追う営業の限界
売上は短期的にはモチベーションになりますが、それだけを目的にするとお客様との関係が希薄になります。
一度は契約できても、次回の購入や紹介にはつながりにくくなります。
結果として、数字は上下を繰り返し安定しません。
お客様が求める“納得感”とは
お客様は「価格」や「性能」だけで判断しているわけではありません。
購入までの過程で、どれだけ自分の声が反映され、安心して決断できたかが大きなポイントです。
納得感は“安心”と“信頼”から生まれます。
選ばれ続ける営業に必要な視点
長期的に選ばれ続けるためには、
「契約を取る」ではなく「お客様に選んでもらう」という発想が必要です。
そのためには、売る前からの関係づくり、そして売った後のフォローが欠かせません。
「三方よし」というシンプルな答え
私が現場でたどり着いた答えは、非常にシンプルでした。
それが「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」です。
三方よしは、日本三大商人のひとつ「近江商人」の商売哲学です。
「売り手だけの利益ではなく、買い手を第一に考え、さらに社会や地域にも貢献する」
――これが基本の考え方。
この価値観は、業種を問わずトップ営業マンほど大切にしています。
三方よしの意味と由来
三方よしは、江戸時代の近江商人が広めた言葉で、
「売り手に利益」「買い手に満足」「世間に貢献」という3つの“よし”
を満たす商売を意味します。
商売は自分だけの利益を追求するものではないという考え方が根底にあります。
近江商人が大切にした商売哲学
近江商人は行商先で信頼を得るため、
取引相手に喜ばれる商品と価格、
そして地域社会に役立つ活動を心がけました。
その結果、長い年月にわたり安定した商売を続けることができたのです。
なぜトップ営業ほど三方よしを意識するのか
トップ営業は、短期の数字より長期的な関係性を重視します。
三方よしの考えは、まさにその軸となるものであり、
お客様からの紹介やリピートを生む原動力になります。
三方よしを営業で活かす3つの視点
売り手よし 自分や会社に利益があり、継続して事業が続けられる状態を作る。 無理な値引きや赤字契約では、長期的にお客様を守れません。
買い手よし お客様が心から納得し、買って良かったと思える取引をする。 一方的な売り込みではなく、相手の価値観や用途に沿った提案が必要です。
世間よし 取引が社会や地域に良い影響を与えること。 安全や環境配慮、地域経済への貢献など、目先の利益以外の価値を生み出すことです。
売り手よしの条件とは
利益は悪いことではなく、むしろ必要条件です。
利益があるからこそ、アフターフォローや品質維持が可能になります。
売り手よしを軽視すると、事業の継続性が損なわれます。
買い手よしを実現する提案方法
お客様の用途や背景をヒアリングし、それに最適な選択肢を提示します。
無理に高額商品を勧めるのではなく、ベストマッチの商品を選んでもらうことが信頼につながります。
世間よしを形にするための工夫
地域イベントへの協力、環境負荷の低い商品の提案、安全啓蒙活動など、
商売を通じて社会にプラスを与える方法は多くあります。
これらは直接的な売上に見えなくても、ブランド価値を高めます。
三方よし営業がもたらす効果
この考え方を軸にすると、不思議なことに契約率が上がり、紹介やリピートが増えます。
理由はシンプルで、信頼が蓄積されるからです。
私の店舗でも、スタッフ全員がこの考えを共有することで、
売上だけでなく「ありがとう」の数が確実に増えました。
これは短期的な数字以上に、長期的な店舗価値を高めてくれます。
契約率アップの理由
お客様は“売り込み”よりも“寄り添い”に心を動かされます。
信頼できる人からの提案は心理的抵抗が少なく、結果として契約率が向上します。
リピート・紹介が増える営業スタイル
購入後の満足度が高いと、
自然に「またお願いしたい」「友達に紹介したい」という行動が生まれます。
これは広告では買えない価値です。
数字以上に大切な「ありがとう」の価値
お客様からの感謝は、モチベーションにもチームの結束にも影響します。
この積み重ねが、長期的に強い営業組織を作ります。
まとめ
営業の本質は、売上や契約件数を増やすことだけではなく、
三方よしを実現することです。
売り手も買い手も、そして社会も喜ぶ取引こそ、長く愛される営業の形。
もし今、営業に迷いを感じているなら、
「この取引は三方よしか?」
と自分に問いかけてみてください。
それができれば、あなたの営業は必ず変わります。
営業の本質を見失わないために
日々の数字やノルマに追われると、どうしても短期的な成果に偏りがちです。
定期的に、自分の営業が三方よしになっているかを振り返りましょう。
今日からできる三方よしの実践
・契約前に「この提案はお客様にとって本当にベストか?」と自問する
・購入後のフォローを必ず行う
・社会や地域にプラスになる提案を意識する
自分の営業を振り返るための質問
- この取引で誰が喜んでいるか?
- お客様は本当に満足しているか?
- 社会や地域に貢献できているか?
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