~実は「本気のサイン」、見逃してませんか?~
はじめに|「見るだけ=買う気ゼロ」と思ってない?
バイク屋の現場にいると、よく耳にするフレーズがあります。
それが「ちょっと見に来ただけなんですけど…」という一言。
この瞬間、多くの営業マンが心の中でこう思います。
「今日は契約にはならないな」って。
でも、本当にそうでしょうか?
実はこの「見るだけ来店」、きっかけ次第で即決するお客様がかなりの確率で含まれています。
なぜなら、人は「興味がないモノ」をわざわざ見に来ないからです。
今回は、営業歴15年・店長歴10年の私が実際の現場で何度も経験してきた
“見るだけ”のお客様を契約につなげる会話術をお伝えします!
なぜ「見るだけ」なのか?|お客様の本音を探る
まず、お客様が「見るだけ」と言う理由は様々です。
- 本当に決めきれていない
- 無理に話しかけられたくない
- 比較対象を確認したい
- 予算や条件が整っていない
- ただの冷やかし(これは少数)
中でも特に多いのが、「まだ迷ってるけど、ちょっと背中を押してほしい」というパターン。
つまり、買いたい気持ちはあるけど、不安のほうが大きい状態なんです。
「買う気ないでしょ」オーラを出すのはNG!
“見るだけ”に対して、よくある失敗がこれ。
「買う気ないのに話しかけるのはムダだな」
→ 表情や態度に出て、お客様が引く。
実際、お客様は営業マンのちょっとした「距離の取り方」や「空気の変化」に敏感です。
対応に温度差があると、「あ、この店はやめておこう」と判断されかねません。
だからこそ、見るだけ来店にも“全力のウェルカム感”を出すことが大切です。
第一声で心を開かせる魔法のフレーズ
「今日は見るだけです〜」と言われたとき、あなたはなんと返していますか?
NG例:「あ、じゃあご自由にどうぞ」
OK例:「ありがとうございます!気になったきっかけ、何かあったんですか?」
ポイントは、「買う前提」で話すのではなく
「興味を持った背景」に寄り添うこと。
この一言で、「売られないから安心」という空気をつくりましょう。
情報提供は“2割”で止める|話しすぎ注意!
“見るだけ”のお客様には、情報の出しすぎは逆効果。
「これはこうで、あれはこっちが…」としゃべりすぎると
「売り込まれてる」「急かされてる」と思われ、警戒されてしまいます。
コツは、「反応を見ながら、少しずつ伝える」。
お客様が「ふむふむ」と頷きながら聞いていたら、さらに深掘りしてOK。
逆に、目線が泳いだり、表情が硬くなったら一旦ストップして質問に切り替えましょう。
こんな質問が効く!|距離を縮めるヒアリング例
以下の質問は、“買う買わない”に踏み込まず、お客様の気持ちを引き出すのに最適です。
- 「今、何乗っているんですか?」
- 「どこか行ってみたい場所はありますか?」
- 「周りに乗ってる方、いらっしゃいます?」
こうした質問を投げると、自然に「バイクを買うことを考えている」雰囲気が出てきます。
ここで営業マンが「買うつもりじゃないのに聞いちゃってごめんね」モードにならず、
「お話し聞けてうれしいです!」のスタンスでいくことが大切です。
クロージングは“提案”じゃなく“相談”
「見るだけ」と言っていたお客様が、話しているうちに興味を深めてきたな…と思ったとき、
一番避けたいのが、急に見積書や注文書を出してしまうこと。
代わりに、こんな風に相談スタイルでクロージングしてみてください。
「もし乗るなら…どっちのスタイルの方が合いそうですかね?」
「この辺がネックですか?それなら他の選択肢もご案内できますよ」
“提案”ではなく“選ばせる”ことで主導権を渡し、安心感を与えることができます。
実際の成功エピソード|「見るだけだったのに…」
ある日、30代男性のお客様がふらっと入店。
「見に来ただけなんで…」と明らかに様子見モード。
でも、話をしていくうちに「通勤でも使えると便利なんですよね」とポツリ。
そこからは会話が一気に進み、
- 任意保険の内容
- 維持費と税金
- 乗り心地の比較
といった“検討者”ならではの質問が飛び出しました。
最終的に「ちょっとこれで見積もりだけでも」となり、その日にご契約。
「最初はそのつもりなかったんですけど…話してるうちに乗りたくなっちゃって」とのこと。
まとめ|“見るだけ”は断られたわけじゃない
“見るだけ”と言われた瞬間に、心を閉ざすのはもったいない。
- 興味があるから来店してくれている
- 迷っているから相談したい気持ちがある
- 本気で買いたいけど、まだ踏み出せていないだけ
この気持ちに寄り添えたとき、あなたの接客は「売る人」ではなく「信頼できる人」になります。
✅ 今日から実践できるポイントまとめ
- 第一声は「見るだけでも嬉しいです」マインドで
- 説明は2割、質問8割の“引き出しトーク”を
- 提案よりも「選ばせるクロージング」で押しつけ感を消す
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