──感情と理屈のズレに気づけ
■ はじめに|「納得したのに決まらない」営業の違和感
「すごく丁寧に説明して、納得もしてくれてたのに…結局、買わなかった」
こんな経験、ありませんか?
プレゼンもバッチリ。質問にも答えた。
それなのに「もう少し考えます」と言われ、そのまま連絡が来ない。
──なぜ“納得したはずのお客様”は、買わなかったのか?
実はここに、営業が見落としがちな**「感情と理屈のズレ」**が潜んでいます。
■ 理屈では「アリ」でも、感情が「NO」と言っている
営業は「納得=買う」と思いがちです。
でも、お客様の意思決定は理屈ではなく“感情”で動いているのが現実。
たとえば:
- 「燃費も良くて、価格も妥当」→ でも買わない
- 「家族もOKと言ってくれた」→ でも迷ってる
- 「比較しても一番条件がいい」→ でも保留する
──こういうとき、理屈では納得してるのに、心が動いていないんです。
■ 感情が動かない3つの理由
ではなぜ、理屈はOKでも感情が動かないのでしょうか?
実際の現場でよくある理由を、3つに分けて紹介します。
① ワクワクが足りない
お客様は**「納得」ではなく「納得+ワクワク」で動きます**。
商品説明だけで終わってしまうと、「良さそうだね」止まりで終わってしまう。
✅ どうすればいい?
→ 「使っている自分を想像できるようにする」
→ ユーザー事例・未来の生活・楽しみ方などを語る
② 決断の後押しがない
お客様は納得していても、背中を押してくれる一言がないと動けません。
「いいとは思うけど…このまま買っていいのかな」
そんな不安を抱えたまま、保留になります。
✅ どうすればいい?
→「〇〇様の条件なら、今が一番いいタイミングです」
→「この機会を逃しても、いつでも大丈夫です。でも一緒に動くなら今です」
→ 安心+提案+行動を結ぶトークが必要
③ 感情を動かす“共感”が足りない
ロジック重視の営業は「正しい説明」を重ねがち。
でも、お客様が欲しいのは“共感”です。
✅ どうすればいい?
→「その気持ち、よくわかります」
→「僕も最初は悩みました」
→「多くの方がそのタイミングで迷われます」
感情に寄り添ってもらえると、「この人に任せよう」と心が動くのです。
■ 理屈でOKでも決まらない営業の特徴とは?
こんな傾向、あなたに当てはまりませんか?
- 商品スペックの説明は得意
- ローンシミュレーションは完璧
- 質問には全部答えてる
→ でも「すごくいい話でした」と言われて終わる…
それは、“正しさの押し売り”になっている可能性があります。
■ 「刺さる営業」になるための3つの実践ポイント
ではどうすれば、理屈+感情の両方を動かせる営業になれるのか?
以下の3つのアプローチを意識してみてください。
✅ ① ロジックより先に「共感」を置く
例:
❌「このモデルは燃費が20km/Lで…」
✅「通勤で使うとしたら、燃費って気になりますよね。私も昔それで悩みました」
共感→理屈の順で伝えると、納得と安心が両立します。
✅ ② 提案後は“沈黙”を恐れない
「どうですか?」の後にすぐ話し出すと、お客様の思考を妨げてしまいます。
沈黙=不安ではなく、沈黙=お客様が考えている時間。
ここを待てる営業が、信頼されます。
✅ ③ 「買ったあとの未来」を話す
納得で終わらず、“その先”を一緒に描く。
✅ 例:
「もしこのモデルを選んだら、週末の〇〇ツーリングにも安心して行けますね」
「月々この価格なら、他の趣味にもお金を残せますよ」
→ “買ったあとの感情”を先取りさせる
■ まとめ|「納得」はスタート、「感情」がゴール
営業のゴールは「納得させること」ではありません。
お客様が「この人から買いたい」と心を動かすこと。
そのためには:
- 理屈だけでは動かない
- 感情を動かすトークが必要
- 共感・安心・未来のイメージが鍵
「納得したのに買わない」お客様がいたら、
そのとき動いてなかったのは、“感情”かもしれない──。
ぜひ、次の商談では「感情に届くトーク」を意識してみてください。
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