■ はじめに|「気に入ってるんだけどさ…」という声
バイク販売の現場で、こんなセリフを聞いたことはありませんか?
「今のバイク、全然不満はないんだけど…」
「なんか、最近○○(他車種)も気になっててさ」
この「気になってる」こそ、乗り換えのきっかけになるお客様の“心の動き”です。
無理に売り込む必要はありません。
でもこのサインを拾って、自然な流れで提案できれば、
納得感のある下取り・買い替えにつながるチャンスなのです。
■ お客様は「不満がある」とは言わない
実は、お客様が「そろそろ替えたいな」と思っていても、
多くの場合、それをストレートには言いません。
なぜなら…
- 今のバイクを気に入っているから
- 自分から「買い替えます」と言うのが恥ずかしいから
- 「買い替えさせられる」と感じたくないから
つまり、「不満はないけど…」という言葉の裏には、
👉 **“乗り換えたいけど、決め手がない”**という心理が潜んでいます。
■ 決め手を与える“聞き方”とは?
こうしたお客様に対しては、売り込みよりも共感+掘り下げが重要です。
たとえば、こんな聞き方が効果的です。
✅ 「今のバイク、どんなところが気に入ってるんですか?」
▶ お客様自身に“満足している点”を言語化してもらうことで、
その延長線上にある「次の理想像」が見えてきます。
✅ 「最近気になってるモデルって、どこが良さそうですか?」
▶ 興味のあるバイクの“理由”を探ることで、
→【今の満足点】vs【次への期待】の構造が自然に浮かび上がる
✅ 「もし次に乗るなら、どんなバイクが理想ですか?」
▶ お客様自身に“未来のビジョン”を話してもらうことで、
「乗り換える」という選択肢が前向きに感じられるようになります。
■ 「今じゃなくてもいい」を逆にチャンスにする
よくあるのが、
「でも、今すぐじゃなくていいかな」
という一言。ここで諦めてはいけません。
この言葉の裏にあるのは、
👉 「きっかけがあれば替えてもいい」
👉 「背中を押してくれる誰かがいれば決断できる」
という“待ち”の状態です。
ここで有効なのが、**「下取り」という現実的なきっかけの提示」**です。
■ 「今なら高く取れる」と“背中を押す”
お客様が迷っているときは、**“損をしない今”**という要素が効きます。
たとえば:
🗣「実は今、このバイクの中古相場が高くて、
この先少しずつ下がっていくかもしれないんですよ」
🗣「下取りとして見たとき、今日の相場はかなりいい条件なので、
もし気持ちが少しでもあるなら、試算だけでも出してみませんか?」
→ あくまで“判断はお客様に委ねる”スタンスを崩さず、
“今動く理由”だけそっと添えるのがコツです。
■ まとめ|「不満はない」=「満足している」とは限らない
「不満はないけど気になる」
この状態は、次への興味が芽生え始めたサイン。
✅ 今のバイクの満足点を引き出し、
✅ 気になっている車種の“魅力”に共感し、
✅ 下取りや相場という現実的な後押しをセットにする。
それが、無理なく自然に“乗り換え”へ導く営業トークの流れです。
あなたのひと言が、お客様の「次の一台」を決めるきっかけになるかもしれません。
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