── 一生の思い出をトラブルで終わらせないために
■ ライダーの聖地、北海道。走る前にやるべきこと
「いつかは北海道を走ってみたい」 バイク乗りなら、一度は夢見るのが“北海道ツーリング”。 実際、私もそのひとりでした。
でも、いざ走ってみると実感するんです。
とにかく、広い。
どれくらい広いかというと、「ちょっと距離感おかしくない?」と思うレベル。 荷物満載で、直線続きの道を高速道路並みに走り続ける。そんな環境が、本州とは全く違うトラブルを引き起こします。
だからこそ、北海道に来る前に、“点検と消耗品の交換”は絶対にやっておいてほしい。
「まだ使えるし、もったいないかな?」 → そう思うくらいが、ちょうどいいんです。
この記事では、北海道ツーリングで本当に起きるトラブルを4つ紹介しながら、 なぜ事前の点検が大切なのか、わかりやすくお伝えします。
❶ タイヤの摩耗と部品交換ができない問題
北海道に来ると、どうしてもテンションが上がります。 憧れの地。広大な景色。走りやすい道。
ついついアクセルを開けすぎてしまう。 その結果──
タイヤの真ん中だけがゴリゴリに減ってしまうのです。
出発時は6分山だったタイヤが、 気づいたらスリップサインを超え、ワイヤーが顔を出していた…という話も珍しくありません。
さらに問題なのが、北海道では簡単にタイヤ交換ができないという点。
- バイク用品店・整備工場が本州より圧倒的に少ない
- チェーン店でも在庫がないケースが多い
- 注文しても届くのは7〜10日後が当たり前
つまり、「なんとかなるだろう」と思って走ってきてしまうと、 パンク=ツーリング終了になる可能性があるんです。
✅ 対策
- 出発前にタイヤの残量を確認
- 迷ったら“交換しておく”のがベスト
- ブレーキパッド、チェーン、オイルも同様に
「まだ使える」は、北海道では通用しません。
❷ 意外と多い…ガス欠の罠
北海道のガソリンスタンド事情、想像以上に“田舎”です。
- 土日が定休日のスタンドが普通にある
- 廃業していてナビの情報が古いことも
- 次のスタンドまで100km以上あることもある
つまり、「あと1メモリあるし、いけるっしょ」が命取りになります。
✅ 対策
- 余裕を持って給油。半分切ったら入れる意識で
- ルート上のスタンドの位置を事前に調べておく
- モバイル電波がない地域もあるので、紙地図やオフラインナビも備えよう
“燃料は余るくらいでちょうどいい”。これは北海道の鉄則です。
❸ レッカーの現実:お金と時間が吹っ飛ぶ
北海道でのレッカーは、金額もスピードも本州とは別物です。
- レッカー車が少ない(シーズン中は常に出払っている)
- 拠点から現場までがとにかく遠い
- 修理工場までもさらに遠い
その結果──
レッカー費用10万円超えも普通にあり得ます。
実際、シーズン中は毎日のようにトラブルの連絡が入り、 レッカー手配が間に合わない状況になることも多々あります。
✅ 対策
- 任意保険に“距離無制限のロードサービス”がついているか要確認
- クレジットカードの付帯サービスは距離制限がある場合も多いので注意
「保険料をケチって高額レッカー」…後悔しても遅いのです。
❹ 修理してもらえない!?混雑する整備工場
北海道では、バイクに乗れるシーズンが短いため、 整備工場も1年分の仕事が半年に集中します。
- 地元のお客様で手一杯
- 予約なしでは受け入れが難しい
- 飛び込みで来られても、すぐに対応できない
つまり、直したくても直してもらえないという状況が本当に起こります。
しかも、部品も簡単には手に入りません。
「じゃあこの部品、すぐ発注しますね」と言われても、 届くのは1週間後。
→ その間、バイクに乗れずホテル滞在…なんてことも。
✅ 対策
- 点検・整備・部品交換は“出発前”に済ませる
- 念のため、よく壊れる部品(ヒューズ、予備レバーなど)を携帯
- 万が一のときの「予備プラン」も考えておこう
■ まとめ|“事前点検”が最高の旅を作る
北海道は、バイク乗りにとって特別な場所です。 でも同時に、油断すれば一瞬でツーリングが終わる場所でもあります。
✅ タイヤは減る前に交換 ✅ 燃料は余裕を持って補給 ✅ 任意保険はロードサービス付きに ✅ 工場には頼らず、自己完結できる準備を
トラブルで旅が台無しになる前に、 “走り出す前の準備”を徹底しておきましょう。
この夏、あなたの北海道ツーリングが “最高の思い出”で満たされることを願っています。
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