──売る・売らないの分かれ道は「トークの間」にあった
■ 「今日はまだ売らないと思います」に潜む本音
バイクの査定をしていて、お客様からこう言われたことはありませんか?
「まだ売るかどうかは決めてないんで…」
「とりあえず金額だけ見たくて…」
この言葉、100%そのまま受け取ってしまうのは少しもったいないかもしれません。
なぜなら、多くのお客様がその裏に
「売ってもいいかも」
という気持ちを、少なからず持っているからです。
このとき営業として大事なのは、
✅ 無理にクロージングすることではなく、
✅ お客様の“迷いの正体”を一緒に確認すること。
その「確認の一言」があるかどうかで、
その場で決まるか/持ち帰られるかが大きく変わります。
■ お客様は「迷っている」のではなく「判断材料が足りない」
「今日はやめておきます」と言うお客様の多くは、
迷っているというよりも、“安心して決めるだけの根拠”がまだないのです。
その判断材料とは…
- 他店と比較したい(→でも正直、面倒だと思ってる)
- 相場がよくわからない(→ちょっと不安)
- 今売って損じゃないか?(→誰かに背中を押してほしい)
- 妻や家族にまだ相談してない(→“理由”が欲しい)
つまり、感情的には「売ってもいいかな」が7割あっても、
最後の3割が埋まらずに、やめてしまう。
その「最後の3割」に届く言葉を持っているかどうかが、即決のカギになります。
■ 即決される査定士がしている“確認の一言”とは?
即決されやすい営業マン・査定士には共通点があります。
それは、“確認トーク”が自然で的確なこと。
いくつか具体例をご紹介します。
✅ 例①|「本日中に売却される予定はありますか?」
これはストレートなようで、心理的な確認をする魔法の言葉です。
お客様の中にある「自分はどうしたいのか?」を整理させる効果があります。
「今日じゃないと思ってたけど…まあ、今決めてもいいかな」
そんな流れに変わることが、実際にあります。
✅ 例②|「ご希望金額に近づけた場合、ご売却のご意思はございますか?」
これも非常に有効な聞き方。
“金額次第では売ってもいい”と思っている人には、
「いや、実は…〇〇円以上なら考えようかと」
と、本音がポロッと出やすい瞬間です。
✅ 例③|「他のお店も検討中ですか? それとも…まだ迷い中ですか?」
選択肢を2つ出すことで、「どっちに当てはまるか」をお客様自身に考えてもらえます。
→ その後の会話の流れも自然に決まるので、次の提案につなげやすくなるのがポイントです。
■ “売ってもいい人”を逃すNG対応とは?
逆に、せっかく売る気のあるお客様を逃してしまう営業には、以下のようなNG対応があります。
❌「わかりました。ご検討ください」
この一言、よく使っていませんか?
たしかに丁寧ではありますが、
“ただの事務的なやり取り”で終わってしまう可能性が高いです。
❌ 無言のまま書類だけ返す
お客様が何も言ってこなかったからといって、
こちらも何も聞かずに終わらせてしまうのはもったいない。
「売ろうかちょっと悩んでたのに…」
「一言くらい聞いてくれてもいいのに…」
そんな本音が、お客様の中にはあったかもしれません。
■ クロージングではなく、“確認”で信頼を生む
確認トークは、決して“押し売り”ではありません。
あくまでも、
「お客様が本当はどうしたいのかを、一緒に整理して確認する」
ことが目的です。
それによって、
- 「考えがまとまった」
- 「売るきっかけになった」
- 「ちゃんと向き合ってくれた感じがした」
と、お客様の満足感と信頼につながります。
■ まとめ|売る・売らないの分かれ道は“たった一言”
✔️ お客様は、金額だけじゃなく「売る理由」も探している
✔️ その理由を引き出すのが、“確認トーク”
✔️ 押すのではなく、寄り添う
✔️ 売却は「納得の積み重ね」で決まる
次の査定で、お客様が迷っていたら、
ぜひ一言だけ聞いてみてください。
「ちなみに今日、ご売却のご予定って…ありますか?」
その一言が、お客様の背中を押すきっかけになるかもしれません。
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