営業はヒアリングが9割|契約から逆算する聞き方

目次

なぜ「説明が上手い営業」が失敗するのか

皆さんこんにちは!北海道のバイク屋で店長をしている、ゆきヘル店長です。

営業というと「いかに魅力を伝えるか」「熱量で押し切るか」などの

「どうやってうまく説明するか」

というイメージを持つ方が多いかもしれません。
でも現場では、こんな経験をする人が少なくありません。

  • 熱心に商品説明をしたのに「ちょっと考えます」で終わってしまう
  • ほとんど契約に近づいていたのに、最後に家族の反対でキャンセル
  • 金額に納得してもらえたのに「置き場所がない」と急に話が止まる

こうした“土壇場の逆転負け”は、実は「説明不足」ではなく

お客様の状況のヒアリング不足から生まれます。

営業歴16年、店長歴9年の私が実際に経験したり、部下の失敗を数えきれないほど見てきた私が

対策法をまとめました。この記事を読んで、決まりそうで決まらない商談から卒業しましょう!


営業は「ヒアリング9割」

売り込み9割では失敗する

商談で商品をどんなに上手に説明しても、お客様の頭の中には「買わない理由」が潜んでいます。
それを知らずに説明を重ねても、最後にその理由が表面化し、せっかく積み上げた会話が崩れてしまうのです。

雑談に見せかけたヒアリングの力

大切なのは「探り」ではなく「自然な会話」の中で情報を引き出すこと。
雑談に紛れた質問こそ、相手の本音を引き出す最強の営業テクニックです。

  • 「バイクって普段どこに置くイメージですか?」
  • 「奥さん(ご家族)は、バイクにどんなイメージをお持ちです?」
  • 「ツーリング行くなら、どのあたりが好きですか?」

これらは雑談のように見えて、実は買わない理由を早めに表に出す“営業の聞き方”です。

本当の障害は言葉に出ない

お客様が自分から「実は反対されていて…」と口にすることは稀です。
だからこそ、営業マンはヒアリングで“買わない理由の種”を探し出し、芽が出る前に対処することが重要になります。


契約から逆算する聞き方

クロージングに必要な情報を先に集める

営業のクロージングをイメージし、そこに必要な情報を逆算して洗い出すこと。
「最後に聞けばいい」と思っていたことを、会話の序盤に散らすのがコツです。

置き場・家族・お金・購入時期などは会話の流れで確認しておきましょう。

おおむね土壇場で契約を覆される非常に重要な4項目です。

置き場

  • 「もし、バイクを買ったら置き場所はありそうですか?」
  • 「バイクの保管ってどうするつもりですか?」

この質問で、お客様の保管状況が見えてきます。

自分の大切な愛車を適当に保管したいライダーはいません。

可能であれば車庫やガレージに保管して大切にしたいと考えている方が多いはず。

中には、屋内保管できないからバイクは買わないと考えている方もいらっしゃいます。

なので、屋外でも上手に保管できる方法を伝えてあげましょう。

具体的には、

  • バイクカバーをかける
  • バイクカバーの下に毛布を入れる
  • 除湿剤を併用する
  • 盗難対策でロックをかける
  • 穴あき対策でサイドスタンドマットを使う
  • 週一でバイクカバーを外し換気する
  • 冬季はショップの預かりサービスを利用する

この対策で賃貸でも、屋外保管でも上手に付き合っていけます。





家族

  • 「ご家族にはバイク買うこと話してますか?」
  • 「ご家族でバイクに乗っている方はおられますか?」

この質問で、お客様の家族の状況が見えてきます。

バイクに対し肯定的なご家族は残念ながら少数派です。

実は私の家族や妻の家族もバイクには否定的です。😭

お客様の熱意だけでご家族を説得するのを待っていては、いつまで経っても話は進みません。

そこで、今までの成功事例をお客様にレクチャーし、説得しやすい会話を伝授します。

お客様を営業マンに仕立て上げる感覚です。

具体的には、

  • 家族はどんな理由で反対しているのかヒアリング?
  • その理由に対し、どのようにアプローチしていくのか?
  • 安全面なら、走り方や装備・保険で対応。
  • 金銭面なら、オートバイの燃費の良さや維持費の安さで対応。
  • 時期の面なら、今じゃなきゃダメな理由、今だからこそお得な理由で対応。

お金

「ご予算はどれくらいで考えていますか?」

「月々いくら位の支払いが理想ですか?」

この質問で、金銭面の条件が見えてきます。

どれだけいい車両を紹介しても予算から大幅にずれてしまうと、契約には至りません。

  • 具体的には、
  • 分割か一括か
  • 月々の支払いはいくら位が理想か
  • その想定支払額には任意保険代は含まれているか
  • マイカーローンなどを利用できる当てはあるか
  • 予算と程度どちらを重視するか

この質問をしていくと、紹介する車両がかなり絞り込めるはずです。

購入時期

  • 「今年乗るつもりですか?」
  • 「もし買ったら、すぐ乗りたいですよね?」

この質問で、即決に導くことができるお客様かどうかを見極められます。

具体的には

  • 直近で大きなライフイベントがないか(結婚・出産・進学など)
  • ツーリングやイベントの日程

「欲しいけど、今年は子供が進学するからどう転んでも買えない」などどう頑張っても買えない状況のお客様もいらっしゃいます。また、「どうしてもこの日に乗りたい」と予定に合わせた納車日を指定されるお客様もおられます。

前者の場合

  • お子さんが在学中は本当に買えないのか?
  • 少額からローン利用できることを知っているか?
  • 長期ローンできることを知っているか?

など購入時期を前倒しにできないか模索していきます。

後者の場合

納期が短めに終わる新車

高年式中古車

など手をかける箇所が少なく納期も前倒しで短くすることができる車両を紹介し、

お客様の納期に合わせた車両をご紹介できます。

「買わない理由」を先に潰す

人は「買う理由」より「買わない理由」を優先します。
だから営業では、買わない理由を先に聞き、そこに対応策を用意しておくことが成果を分けます。

例えば、「今は買えない」というお客様に対して、「なんで買えないんですか?」「どんな理由があるんですか?」と問い詰めても、素直に教えてくれるお客様は少ないです。それに、お客様が口にした内容が、本当の買わない理由かどうかも確かめなければなりません。

YESを積み重ねる質問設計

逆算型ヒアリングは、最終的なYESに向けて小さなYESを積み重ねる設計です。
「なるほど」「そうですね」と頷いてもらえる流れを作ることで、クロージングは自然に近づいていきます。


実践トーク例(営業現場で使える聞き方)

家族・パートナーの反対を探る

  • 「ご家族は、バイクにどんなイメージを持ってます?」
  • 「もし反対されるとしたら、どんな点が心配になりそうですか?」

お金・支払いのハードルを和らげる

  • 「月々のイメージでいうと、どのくらいなら無理なく続けられそうですか?」
  • 「現金・ローン・頭金ありなし、どのパターンがしっくりきそうです?」

バイク特有の「置き場所・使い方」を確認

  • 「駐車スペースはどんな感じになりそうですか?」
  • 「平日は通勤で?それとも週末ツーリング中心ですか?」

こうした質問で“壁”を早めに表面化させると、商談の終盤で「あれもこれも不安…」とならず、安心感につながります。


体験談・失敗談

ヒアリング不足で大失敗

ある新人営業は、熱心にバイクの性能を説明し、お客様も「いいですね!」と好感触。
ところが最後に「実はうち、マンションで置き場所がなくて…」と一言。
契約は白紙に戻り、すべて水の泡になりました。

逆算質問で即決したケース

別の商談で、序盤に「駐車場はありますか?」と軽く聞いたところ、
「実はカーポートの横にちょうど置けそう」という答えが返ってきました。
そこから「じゃあ雨ざらしにならないから安心ですね」と会話を広げ、即決につながった実例もあります。

新人スタッフへのアドバイス

私は部下に「クロージングから逆算して“質問地図”を作れ」と教えています。
契約の場面をゴールに設定し、そこに必要な質問を逆算する。
それを雑談に見せかけて投げていくことで、自然に契約の形が整っていくのです。


まとめ:今日からできる一歩

営業は「話す力」より「聞く力」。
そして、ただ聞くだけではなく契約から逆算したヒアリングが成果を分けます。

次の商談でぜひ試してみてください。
「最後に聞くつもりの質問を、最初にひとつ混ぜる」
たったそれだけで、会話の空気は変わり、クロージングが驚くほどスムーズになります。

営業はゲームです。相手の“買わない理由”という隠れた敵を探り出し、先に潰しておく。
その攻略法を身につければ、契約は自然と積み上がっていきます。

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