「いい話だったんだけど、もう少し考えます」
「今日はちょっと…」
そんな“惜しい”失注、経験ありませんか?
実は、営業において「何を話すか」以上に大切なのが、「いつ話すか」=提案のタイミングです。
今回は、現役店長として日々商談に立ち会う中で感じた「提案タイミングの見極めポイント」を具体例つきでご紹介します。
❶ タイミングを間違えると、即アウト
どんなに内容が素晴らしい提案でも、タイミングが早すぎると「押し売り」に。逆に、遅すぎると「何がしたいのか分からない」印象に。
つまり、タイミングがズレると提案の価値すら伝わらなくなるのです。
❷ 提案していい「3つのサイン」
では、提案してもいいタイミングとは?
お客様が出す“3つのサイン”に注目してください。
▶️ サイン①:質問が具体的になる
「これって通勤にも使えますか?」
「保険ってどれくらいかかります?」
このように、お客様の質問が生活や費用、使い方に絡んでくると、提案OKのサインです。
=「自分が使った場合」をイメージし始めている証拠。
▶️ サイン②:同じ商品を何度も見る
一周回ってまた同じ車両に戻る。何度も近くを通って見る。
=「気になって仕方ない」状態です。
このタイミングで「気に入っていただけたようですね」と軽く一言添えて、提案に入る準備をしましょう。
▶️ サイン③:「他の人もこれ選んでますか?」
他の人の反応を気にし出す=「あと一押しあれば決めそう」な心理。
ここで「はい、同じように迷われてた方が選ばれました」と**“安心の後押し”を加えて提案に入ると、スムーズに進みます。**
❸ 逆にNGなタイミングとは?
提案してはいけないタイミングもあります。
- 商品を見始めて間もない
- そもそも質問してこない
- 他のものと比較中
この段階で提案しても、「まだ見てるだけなんで」と返されてしまいます。
💡 この時期は“聞く”“測る”フェーズ。
お客様が何を求めているのか、どんな知識レベルか、何に迷っているのかをヒアリングに集中しましょう。
❹ 実際のトーク例:タイミング別
❌NG例(早すぎる)
お客様「250ccって、初心者にも乗りやすいですか?」
営業「はい!こちら、今なら特別価格で…」
→ まだ“情報収集中”の段階で売り込みを始めると、警戒されやすい。
⭕OK例(タイミング良)
お客様「このタイプ、通勤にも使えますか?」
営業「実際、毎日通勤に使ってるお客様も多くて、燃費もリッター40キロ超えるので…」
→ 生活に落とし込んだ具体質問。ここから提案へ自然につなげやすい。
❺ タイミングを見極める“2つのコツ”
🔍 コツ①:「聞く→測る→話す」の順を守る
- 聞く:何を見に来たのか
- 測る:どれくらい情報を知っているか
- 話す:お客様の理解度に合わせて提案
この順番が逆になると、「この人、自分の話しかしてないな…」と距離が開きます。
🧠 コツ②:「話す前に1テンポおく」
たとえば、具体質問が来たときに、すぐ商品説明に入るのではなく
「なるほど、通勤でも使いたいんですね。どれくらいの距離なんですか?」
と、一度お客様の状況を確認してから提案に入ると、押し売り感がなくなります。
❻ 提案の切り出しに使えるフレーズ集
- 「気に入っていただけたようですね」
- 「他にも気になる車両はありますか?」
- 「今お話聞いてて、こういうタイプがおすすめかなと思ったんですが…」
- 「ちなみに、先週同じ車種を買われた方はこういう使い方をされてて…」
👉 ポイントは、“提案=売り込み”ではなく、“選択肢の提示”として伝えること。
✅ まとめ|提案タイミングで、営業はもっと上手くいく
- 提案が響かない原因の多くは「タイミングのズレ」
- お客様の“行動と言葉”を見てサインを読む
- 「聞く→測る→話す」の順を守れば、押し売り感ゼロで自然に提案できる
営業はトーク力より“空気を読む力”。
それが“提案のタイミング”です。
コメント