スズキが2025年10月、ついに待望のニューモデル「DR-Z4S」「DR-Z4SM」を発表しました。価格は両モデルとも税込1,199,000円。伝説のデュアルパーパス&スーパーモタードとして人気を博した「DR-Z400S」「DR-Z400SM」の名を継ぐモデルとして、大きな注目を集めています。
この記事では、新型DR-Z4シリーズの特徴を整理するとともに、旧型DR-Z400との違いを比較しながら解説します。
DR-Zとは?──伝説の400シングル
まずはおさらい。DR-Zシリーズは2000年に登場した水冷単気筒398ccのデュアルパーパスモデル「DR-Z400S」、そしてその派生としてオンロード走行に特化した「DR-Z400SM」が存在しました。
軽量な車体に元気な単気筒エンジンを積み、林道から街乗り、サーキットまでこなす万能モデルとして国内外で人気を博しました。特にSMはスーパーモタードブームの火付け役とも言われ、日本だけでなく欧米のライダーからも高い評価を得ています。
しかし、キャブレター仕様・電子制御なしという古き良き構成は、時代が進むにつれ排ガス規制や安全基準に合わなくなり、日本国内では姿を消しました。それから十数年を経て、ついに令和の時代に復活したのが「DR-Z4S/DR-Z4SM」です。
新型DR-Z4S/4SMの概要
- 発売日:2025年10月8日
- 価格:1,199,000円(税込)
- モデル: ・DR-Z4S … 林道やツーリングにも使えるデュアルパーパス仕様 ・DR-Z4SM … 17インチホイールを履いたストリートモタード仕様
エンジンは水冷単気筒DOHC 398cc。燃料噴射(FI)、電子制御スロットル、デュアルスパークと、現代的なテクノロジーが盛り込まれました。


エンジン性能の違い|旧型 vs 新型
旧型DR-Z400S/SM
- 水冷単気筒398cc、キャブレター仕様
- 最高出力 約40PS/9,000rpm
- トルク 約4.0kg-m/7,000rpm
- 高回転まで一気に吹け上がるパンチが魅力
- 反面、始動性・燃費・排ガス性能に難あり
新型DR-Z4S/4SM
- 水冷単気筒DOHC 398cc、FI+電子制御スロットル
- 最高出力 38PS/8,000rpm
- 最大トルク 3.8kg-m/6,500rpm
- デュアルスパークで燃焼効率・環境性能を改善
- 低中速トルク重視のフレンドリーな特性
👉 まとめ
旧型は“荒々しいキャブ車”としてパワフルな高回転が魅力でした。一方、新型はピークパワーこそ控えめですが、扱いやすさと環境性能を兼ね備えた“現代的な単気筒”に進化。街乗りやツーリングでもストレスが少なく、初心者でも乗りやすい仕様になっています。

電子制御の進化
旧型
- 電子制御なし
- ABSすら非搭載
- すべてライダーの腕でコントロールする「生の乗り味」
新型
- **S.I.R.S.(スズキ・インテリジェントライドシステム)**を搭載
- スロットルマップ切替(A/B/Cの3モード)
- トラクションコントロール+グラベルモード
- ABS(オフロード向けキャンセル機能付き)
- クラッチアシストシステム
👉 まとめ
新型は「安全・安心」を大幅に強化。電子制御を切れば旧型のような“生のフィーリング”も楽しめるため、初心者からベテランまで対応する懐の深い仕様です。

足回りとホイール比較
DR-Z400S(旧型)
- フロント21インチ/リア18インチ
- オフロード向けロングストロークサス
- 林道・エンデューロも対応
DR-Z400SM(旧型)
- 前後17インチホイール
- 太めのオンロードタイヤ
- シャープなモタード走行が可能
DR-Z4S/DR-Z4SM(新型)
- ホイールサイズは旧型と同じ思想を継承
- S=21/18インチ、SM=前後17インチ
- 新設計フレームとサスペンションで軽快性アップ
- 装備重量:S=151kg、SM=154kg(旧型より軽量化)
👉 まとめ
ホイール構成は旧型と同じだが、フレームや足回りは刷新され、よりスリムで軽快な走りに進化。取り回しやすさも大幅に向上しました。

デザインと装備の違い
- 旧型:ハロゲンランプ、アナログメーター
- 新型:フルLED灯火類、液晶メーター、USB電源
- シート高は両者ほぼ同じ(890mm前後)
- 新型はよりシャープでモダンなデザインに刷新
👉 まとめ
旧型の無骨さも魅力でしたが、新型は“令和のバイク”らしい機能性とデザインを両立。日常使いの快適さも大きく向上しました。

誰におすすめ?
- 旧型DR-Z400ユーザー →懐かしさと最新技術を両立した“リフレッシュ買い替え”に最適。
- これからオフやモタードを始めたい人 →旧型より扱いやすく、電子制御で安心。初心者にもオススメ。
- ベテランライダー →電子制御を切れば、旧型のような“生の走り”も楽しめる。
まとめ|旧型の魂を受け継ぎ、現代に蘇ったDR-Z
DR-Z4S/DR-Z4SMは、旧型DR-Z400シリーズの荒削りな魅力を残しつつ、最新の電子制御と装備で誰もが楽しめる万能バイクに進化しました。
旧型は「パンチの効いたキャブ車」、新型は「安心して遊べるFI車」という位置づけ。価格は高めですが、令和のバイクシーンにおいて“シンプルなシングルの楽しさ”を再定義する一台になるはずです。
✅ 公式情報
試乗レポート
先日販売店向けの試乗会に参加してきました。
スズキさんが用意してくれたのは、SとSMを一台ずつ。
それに対して参加人数は30人超え!
人気の度合いが伺えます。
街中をぐるっと一周する短めの試乗コースでしたが、
それでもパワフルなエンジンと軽快に走れる車体、しっかりとした足回りなどを体感するには十分でした。
シートは薄めで長時間乗車するとお尻が痛くなりそうな予感しかしませんでしたが・・。笑
SとSMどちらにも試乗させてもらいましたが、個人的にはSの方が好きでした。
柔らかめのサスをしっかり動かしてアクセルワークと体重移動で思いっきり操作して遊ぶ。
こんな乗り方を許容してくれる懐の深い印象を受けました。
価格自体はとても高いと感じますが、対抗馬のいない唯一無二の存在なのでこのバイクにハマってしまう方も少なくないのではないでしょうか。
おそらくみなさんが一番気になる足つき性は、シート高の数値で分かる通り良くはありません。
しかし、一緒に試乗しに行ったメンバーは160センチ53キロ。
そのメンバーでもなんとか転ばずに試乗することができていました!
160センチ未満の方にはかなり厳しい車両ですが、テクニックと装備、そしてこのバイクに乗りたいという熱意があればなんとかなるはずです!
写真に写っている青い椅子は、足つき補助用のサポートアイテムです笑
ちゃんとスズキのステッカーも貼ってくれていました!笑


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