納車後に後悔する初心者ライダーは意外と多い
念願のバイクを手に入れた瞬間は誰でもワクワクします。ところが数週間も経たないうちに「こんなはずじゃなかった…」と後悔するライダーも少なくありません。
その多くは、購入前に正しい情報を集めなかったことが原因です。この記事では、営業歴16年、店長歴9年の私が、初心者が特に陥りやすい後悔ポイントを5つに整理し、それを避けるための具体的な対策も紹介します。
せっかく買う、人生で1度きりの「初バイク」を後悔のない選択にしていただけたら幸いです。
サイズ感のミスマッチ

足つきの悪さで怖くなる
納車後すぐの後悔で圧倒的に多いのが「足が届かない」問題。シート高や体格を考えずに選んでしまい、信号待ちで不安になったり、坂道発進で立ちゴケしてしまい自信を無くしてしまうケースがよくあります。
転けてしまった時の対処法をまとめています。試さなくて済む方が良いですが、知っておくと安心です。
バイクで転けたらどうする?店長が教える“初めての転倒”対処法と心構え
取り回しが重くて扱いきれない
駐輪場からの出し入れや、押し歩きが想像以上に大変だったという声も多いです。特に大型バイクでは、重量が200kgを超えるのが当たり前。筋力に自信がない人は、日常的に「乗りたい」より「めんどくさい」「怖い」が先に立ちます。特に女性の方は、自信の無さから一人では出掛けられなくなりがちで、気づいたら数ヶ月乗っていなかったというケースも・・・😭
ほぼ100%のお客様が感動してくれる、取り回しテクニックの記事です。ぜひ参考にしてみてください!
【女性ライダーにも大好評】重たいバイクが軽く感じる!取り回しテクニック|引き起こしがラクになる2ステップ
試乗や実車確認を軽視した結果
カタログスペックや見た目だけで決めてしまうと、こうしたギャップに直面します。試乗や実際に跨って確認することは、必須のステップです。可能であれば、店舗内で少し取り回しをさせてもらうことで上記の問題に購入前に気がつけます。
維持費の想定不足

任意保険・税金・車検の出費
バイクの本体価格だけを見て購入を決める人が多いですが、実際には「任意保険」「自動車税」「車検代(250cc超の場合)」といった固定費がかかります。初心者はこの部分を軽視しがちです。それぞれ長期スパンで予算を組めばそこまで大変な金額ではありませんが、いきなり用意するとなるとなかなか痺れるものがあります。
例えば、車検代だと、ユーザー車検かお店で車検を受けるかでも変わりますが、今回はお店で車検を受けると想定して話をします。大きなメンテナンスが無ければ大体5〜8万円くらいで収まることが多いと思います。これを2年間で貯めていくと、1日100円(年間36,500円×2年=73,000円)。これだけで車検代の大部分はカバーできます。
任意保険の裏ワザをまとめています。ぜひこちらの記事もご覧ください。
バイク保険を安くする裏ワザ5選|ライダーが知らない見直しポイント
ガソリン代やメンテナンスコスト
毎月のガソリン代はもちろん、オイル交換・タイヤ交換・チェーン調整などの整備費用も発生します。特にスポーツ系タイヤは1〜2年で寿命を迎え、想像以上にコストがかさみます。自分が購入したいバイクのジャンルによって、用意しておく整備費用も変わってきます。
こちらも数年に一度の交換費用を事前に積み立てしておくことで、対策できます。車検費用とは別に、1日100円積み立てしておくと、消耗品交換も怖くありません。
駐輪場・保管場所の問題
都市部ではバイクを置くスペースの確保が意外と大変。月極駐輪場の費用や、自宅保管でも防犯グッズや盗難保険への投資も必要です。
盗難対策についてまとめてある記事です。こちらも参考にしてください。
【2024年版データ有】バイク盗難対策|初心者が知っておくべき7つの防犯術と実例


ライフスタイルとのズレ

通勤・通学で使いにくい
「通勤に便利そう」「燃費が良い」と思って買ったのに、雨の日や風の強い日は結局電車や車を使ってしまう。バイク通勤が現実的でなかったと気づき、乗らなくなる人も少なくありません。
雨の日対策の記事はこちらを参考にしてください。
レインウェアだけじゃ足りない!雨の日ライディング装備チェックリスト
買い物や旅行で不便さを感じる
荷物を積めないため、日常使いには不向きなことに気づくケースも。バイクは車と比べると圧倒的に積載能力がありません。バイクに積載性を求める使い方をするなら、サイドバッグやリアボックスを後付けすることで改善できます。また、少しマニアックかもしれませんが、どうやって少ない荷物にまとめるかを思案する時間も楽しめるようになるとバイク乗りっぽいと思います。笑
あと、私もロングツーリングの時に使っているテクニックは、捨ててもいい服を着て出発し、現地で処分する。その空いた分でお土産を持って帰る。どうしても足りない分は郵送する。これの手法が好きで、ボロボロの服をツーリングの為に残しています。笑
家族やパートナーからの反対
購入前は「好きにしたら?」と言ってくれていた家族が、実際に乗り始めると「危ないからやめてほしい」と心配することもよくあります。理解を得られないと、気持ちよく乗れなくなるのも現実です。
免許取得前の方向けですが、家族の反対について具体的にまとめた記事がありますので参考にしてください。
カスタム欲の暴走

SNSや仲間に影響されて散財
納車直後は「とりあえず純正で乗るつもり」だったのに、SNSや仲間の影響でカスタム熱が急上昇。
マフラー、ハンドル、外装パーツ…と気づけば数十万円が消えている、なんてことも。
バイクに限らず、趣味のものは熱が入り始めると自分でも止められなくなります。
それが趣味の醍醐味でもあるので、あまり冷静に計画的にし過ぎるのも考えものです。
私は、「カスタムはひと月に1つだけ。」と、決めてカスタムするようにしています。
お金の問題もありますが、飽き性なので一気にカスタムをしてしまうと、すぐ次の車両に乗り換えしたくなるからです。笑
焦ったいですが、ちょっとずつ仕上げていくと長く付き合っていけます。
最初はノーマルで乗った方が良い理由
私の持論ですが、ノーマルでしばらく乗った後にカスタムをすると違いがよく体感できるので、よりカスタムの価値が高まると考えています。
納車時にカスタムをしてしまうとノーマルとの違いを体感できない。
せっかくの高価なカスタムパーツの効果を感じ取れないという、一番美味しいところを味わえない。
本当に勿体無いと思っているので、お客様には毎回この話をしています。
正直、カスタムしたい人からすると、「この店はカスタムしたくないのかな?」「カスタム苦手なのかな?」とネガティブな印象を持たれているとは思いますが、この持論は私の実体験から来ているものなので譲れません。笑
例えば、マフラーを変えた時の感動をお客様にも味わってほしい!
「引き起こしが軽い!」「取り回しも軽い!」「何より音が超気持ちいい!!」
こんな体験を味わえないなんて、本当に勿体無い!
だからこそ、カスタムしたい気持ちをグッと堪えて、まずはノーマルで乗り込んで欲しい。
私のワガママに共感していただけたら、ぜひこの考え方を取り入れてみてください。
必要最低限のカスタムから始める
快適性や安全性を高める「スクリーン」「USB電源」などの実用装備から始めると、比較的費用も抑え目ですし、カスタム時の感動がそこまで大きくないパーツが多いため、失敗が少ないです。
こちらの記事も参考にしてください。
安全面の軽視

立ちゴケで心が折れる
納車直後に多発するのが「立ちゴケ」。ちょっとした油断でバイクが倒れ、大切な車体に傷がついてショックを受ける人が多いです。初めての転倒はバイク以上にライダーの心が傷付くものです。
一度もこけたことのない人もいるとは思いますが、私を含め多くの方が経験しています。
1度や2度の転倒は勲章だと思って開き直るくらいの気持ちでいることがオススメです。
防具不足で怖い思いをする
ヘルメット以外の装備を軽視している初心者もいますが、転倒時に「グローブ」「ジャケット」「プロテクター」がなければ大けがにつながります。私自信の体で検証済みなので、本当に痛いです。笑
しっかりとした装備を身につけて転倒したこともありますが、怪我の程度がまるで違います。
高価な装備ほど安心ですが、リーズナブルな装備でも十分体を守ってくれるので、揃えておきましょう。
初心者向けバイク選びのポイント
最初は軽量・低シート高・扱いやすいエンジンのモデルを選ぶと、安全面での後悔を大幅に減らせます。
扱いやすいモデルの記事はこちら
初心者におすすめのバイク5選|取り回しとデザインで選ぶ
納車後に後悔しないためのチェックリスト
サイズ・用途・維持費を事前にシミュレーション
足つき確認や押し歩きチェック、1年間の維持費試算をしてから契約すると安心です。
試算が難しければ、お店のスタッフに聞いてみましょう。
私のおすすめは、任意保険や駐車場代、税金以外で1日200円積立すること。
装備(ヘルメット・プロテクター)を先にそろえる
バイク本体よりも先に、身を守る装備に投資することが結果的に満足度を高めます。
経験者に相談する/レンタルバイクで試す
購入前にレンタルサービスを利用して実際の使用感を確かめるのは、とても有効な方法です。
まとめ|後悔は「事前に知ること」で防げる
バイクは人生を豊かにしてくれる最高の趣味ですが、準備不足だと納車直後から後悔が始まってしまいます。
「サイズ感」「維持費」「ライフスタイル」「カスタム」「安全」の5つをしっかり押さえれば、後悔はほぼ避けられます。
せっかくの愛車と長く楽しく付き合うために、この記事で紹介したポイントを購入前に確認してみてください。
皆さんのバイクライフが素敵な時間だけで満たされることを願っております。
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