はじめに|「何を聞くか」より「なぜ聞くか」
営業トークで大事なのは「聞く力」。
これはもはや常識になっています。
でも、実際の営業現場では──
「一応、質問はしてるけど、会話が深まらない」
「お客さんの気持ちがわからないまま終わってしまう」
こんな声をよく耳にします。
その原因は、質問の“意図”が曖昧なまま聞いているからかもしれません。
✅ 質問には“目的”がある
たとえば、以下の2つの質問──
「どのバイクが気になっていますか?」
「バイクに乗るときはどんなシーンが多いですか?」
どちらもお客様のニーズを探る質問ですが、
前者は商品選びの確認、後者は使用目的の把握と、目的が違います。
つまり、「何を知りたいのか」が明確になると、質問の精度がぐっと上がります。
🎯 目的別ヒアリング質問集10選
ここからは、「信頼構築」「ニーズ把握」「購入意思の測定」など、目的別に質問例と使いどころを解説していきます。
🧩 1. 信頼構築|雑談から警戒心を解く
質問例:
「お休みの日って、どんな風に過ごされてますか?」
意図:
すぐに商品説明に入ると、お客様は身構えます。
最初は日常の話題から入って、会話の“アイドリング”をしましょう。
使いどころ:
接客序盤、会話の緊張をほぐすときに。
🧩 2. 興味関心の確認
質問例:
「今までに乗っていたバイクって、どんな車種が多かったですか?」
意図:
過去の選び方から、その人の“好み”が見えてきます。
スペック重視なのか、見た目重視なのかもわかります。
🧩 3. ニーズの深掘り
質問例:
「バイクを使うのって、通勤・ツーリング、どちらが多そうですか?」
意図:
使用シーンによって、最適な車種や装備が変わってきます。
提案の“方向性”を定めるための質問です。
🧩 4. 情報収集のスタイル確認
質問例:
「今日いらっしゃる前に、ネットで何か調べたりされましたか?」
意図:
お客様の“知識レベル”を把握することで、
説明を「足す・引く」の判断ができます。
🧩 5. 比較対象の確認
質問例:
「他に気になっているモデルって、どれがありますか?」
意図:
比較中の候補がわかれば、**「その中で当店の強みはここです」**と差別化できます。
🧩 6. 決断の基準を知る
質問例:
「一番大事にされてるポイントって、どんなところですか?」
意図:
価格なのか、見た目なのか、燃費や取り回しか…。
判断軸を先に聞いておくと、商談がブレません。
🧩 7. 購入意欲の測定
質問例:
「いつ頃までにご購入をお考えですか?」
意図:
本気度を測る重要な質問。
ただし、ストレートすぎると警戒されるので柔らかく聞くのがコツ。
🧩 8. 予算感の確認
質問例:
「ざっくり、ご予算ってどのくらいを想定されていますか?」
意図:
ここを聞かずに提案を進めると、あとで“届かない商品”を紹介して失敗しがちです。
🧩 9. 決済プロセスの確認
質問例:
「ご購入の際って、ご家族と相談されたりしますか?」
意図:
一人で決められるか、誰かの許可が必要かを把握する。
特に家族持ちのお客様には重要なチェック項目です。
🧩 10. 決断への後押し
質問例:
「迷ってるのって、どのあたりですか?」
意図:
不安点を言語化してもらうことで、こちらからピンポイントでフォローできるようになります。
💡 質問は“戦略的に”使い分けよう
質問というのは「ただ会話を続けるための道具」ではありません。
むしろ、お客様の**「今どこにいて、何に悩んでいて、どう決断したいのか」**を知るための“情報レーダー”です。
会話の目的を明確にし、必要な情報を整理しながらヒアリングすることで、
提案の精度は驚くほど上がります。
✅ まとめ|質問の精度=成約率
営業で結果が出る人は、質問の精度が高い。
逆に、売れない人は「なぜその質問をするのか?」があいまい。
質問は、**“会話を支配するツール”ではなく、“相手を知るツール”**です。
次の商談からは、
「この質問、なんのためにするんだっけ?」
と、ぜひ一度考えてから使ってみてください。
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