本音を引き出す“沈黙”の力|焦って話す営業が損している理由

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はじめに|沈黙を恐れる営業マンは多い

営業の現場で、お客様との会話に“間”ができると、つい焦って話し始めてしまう。そんな経験、ありませんか?

「何か言わなきゃ」「このままだと気まずい」

――そんな気持ちで沈黙を埋めてしまう営業マンは少なくありません。

でも実はその“沈黙”こそが、契約への一歩を引き出す「最強の武器」になることをご存知でしょうか?

今回は、営業現場で活用できる「沈黙の力」と、その実践方法について、現役バイク店長の経験をもとにお伝えします。


沈黙=悪ではない

営業マンが沈黙を恐れる理由は、「何か言わないと不安にさせてしまう」という思い込みです。

しかし、顧客心理に目を向けてみましょう。

お客様が黙る理由

・真剣に考えている

・迷っている

・選択肢を整理している

・自分の感情と向き合っている

つまり、“沈黙している=興味がない”とは限らないのです。むしろ、「検討しているからこそ言葉が出ない」ことの方が多い。

ここで営業マンが焦って説明を被せてしまうと、お客様の思考を遮ってしまい、本音を聞き出すチャンスを潰してしまいます。


沈黙の効用|3つの効果

① 考える余白を与える

沈黙は、お客様に「考える時間」を与えます。

例えば、

「このAとB、どちらが良いですか?」と聞いたあとに数秒の沈黙。

営業マンがすぐに「Bの方が人気で…」と続けるのではなく、あえて黙ることで、お客様は自分の中で「どうしたいか」を真剣に考えます。

その結果、返ってくる言葉は、表面的な「なんとなく」ではなく、より深い“本音”になりやすいのです。

② 主導権を握れる

沈黙に耐えられる営業マンは、落ち着きと余裕を感じさせます。

お客様の立場でも、

「この人、焦ってないな」

「こっちのペースに合わせてくれている」

という安心感につながり、信頼を得やすくなります。

逆に、焦って話し続ける営業マンは「売り込み感」が強くなり、構えてしまう原因になります。

③ 本音を引き出せる

沈黙に耐えて待った先に出てくる言葉こそが、本音です。

営業トークで本音を引き出すには、

  • 質問したら、相手が答えるまで待つ
  • 一言コメントが返ってきても、さらに「沈黙」してみる

この“待ち”の姿勢が、思いもよらないお客様の悩みや本音を引き出してくれることがあります。


沈黙を活かすコツ

コツ①:「質問 → 沈黙 → 本音」の流れを意識する

例)

営業「気になっているポイントはどこですか?」

→(沈黙)

→ お客様「……実は、昔事故にあっててちょっと怖くて」

この一言があるかないかで、その後の提案の深さが全く変わります。

コツ②:3秒ルールで沈黙に慣れる

「聞いたら3秒数える」

最初は違和感がありますが、習慣にしてしまえば、自然と沈黙に強くなります。

コツ③:表情・姿勢で“安心”を与える

沈黙中も、無表情・無反応だとお客様は不安になります。

頷きながら、アイコンタクトを保ちつつ、優しい表情で待つ。

それだけで「この人なら話せる」と感じてもらえます。


よくあるNG対応

❌ 質問してすぐに自分で答える

「AとBで迷ってます」→「Bの方がオススメですね!」

これでは、お客様が本当にどう思っているかが見えません。

❌ 沈黙に耐えられず、商品説明に戻る

「じゃあ、こちらのスペックが…」と話し出してしまうと、気持ちの整理の邪魔になります。


実践フレーズ集

沈黙の前後に使える「つなぎ」の言葉を持っておくと安心です。

  • 「ごゆっくり考えてみてください」
  • 「急がなくて大丈夫です」
  • 「お客様のペースでお決めいただければと思います」
  • 「どんなことでも気になることがあれば遠慮なく」

まとめ|沈黙は“本音を引き出す時間”

営業において沈黙は“間違い”ではなく、“余白”です。

焦って言葉を埋めるのではなく、待つこと。

この“待つ力”を身につけることで、お客様からの信頼、本音、そして契約を引き出す力が何倍にもなります。

沈黙を恐れず、余白のある営業をしてみませんか?


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