──その人たちは「売ってない」のに、売れている。
■ はじめに|「冷やかし」のはずが即決!?
「今日はちょっと見に来ただけなので…」
「買うつもりはまだないんですけど…」
そんな言葉から始まったお客様が、
気づけば「じゃあ、これでお願いします」と即決していた──
営業をやっていると、そんな“嬉しい誤算”に出会うことがありますよね。
でも実はこれ、偶然じゃなくて、売れる営業にはある“共通点”があるんです。
今回は、15年の営業現場で見てきた「売ってないのに売れている営業」の共通点を、具体的に解説します。
■ 「見に来ただけ」のお客様が買う心理とは?
そもそも、なぜ「買うつもりがなかった人」が買ってしまうのか?
答えはシンプルです。
**「想像以上によかった」+「買わない理由がなくなった」**から。
逆に言えば、「今日は買う気ない」と思っていたお客様は…
- 無理に売り込まれると一気に冷める
- でも、想像を超える接客には感動して心が動く
つまり、売る気満々の営業では決まらず、**“売ってないのに信頼されてる営業”**に買いたくなるのです。
■ 売ってないのに売れる営業の5つの共通点
では、実際に“見に来ただけ”のお客様が買ってしまう営業には、どんな特徴があるのか?
私が現場で実際に見てきた、5つの共通点を紹介します。
✅①「買うかどうか」より「楽しんでもらう」を優先する
売れる営業ほど、会話の最初に“買うかどうか”を気にしません。
それよりも、
- 雑談を楽しませる
- 商品の魅力を“体験”として伝える
- お客様の興味を引き出す
→ この“買わなくても楽しめた”という体験が、信頼と購買意欲に変わるのです。
✅②「話す」より「観察して気づく」がうまい
“売らない営業”は、お客様をよく見ています。
- どこで足を止めたか
- どんな質問をしてきたか
- 何に驚いたか/笑ったか
こうした細かい反応を見て、さりげなくピンポイントで提案しているのです。
✅③ 無理にクロージングしない
見に来ただけのお客様に対して、
❌「今日決めた方が得ですよ」
❌「今しかないですよ!」
こんな押しトークをすると、逆に引かれます。
代わりに使うのは、
✅「もし今すぐじゃなくても、気になる部分があればお伝えしますね」
✅「悩む方は多いので、いつでも相談だけでもOKです」
→ 信頼を先に渡すと、返ってくるのは“自発的な即決”。
✅④ その人に合った提案しか、しない
売れる営業は「その人が欲しいもの」だけを提案します。
・スペックが高い
・在庫がある
・利益率が良い
──こんな理由で提案はしません。
大切なのは、「この人の用途・好み・価値観に合っているか」。
だからこそ、お客様は「この人、わかってくれてる」と感じて買いたくなるのです。
✅⑤「買った後」の話まで自然にできている
最後の決め手は、購入後のワクワク感を一緒に描いてくれること。
✅ 「これなら週末に〇〇へツーリングできますね!」
✅ 「今までの不満、これなら解消されそうですよね」
✅ 「これで○○さんもお子さんとのお出かけがもっと快適になりますよ」
→ “買ったあとの未来”を見せることで、「買う」が自然な流れになるのです。
■ 実例紹介|冷やかしのお客様が即決した瞬間
あるスタッフが対応した50代男性のお客様。
「ただ見に来ただけ」と言って、最初はカタログを見ているだけでした。
でもそのスタッフは、
- 雑談でツーリングの話を聞き出し
- 気になるモデルを一緒にまたがって体験し
- 「〇〇さんなら、ここが特にフィットするかもしれませんね」と提案
押し売りゼロ。説明も控えめ。
それなのに、お客様はその場で「じゃあ、これにします」と即決。
→ “この人から買いたい”が決め手になる瞬間でした。
■ まとめ|「見に来ただけ」のお客様ほど、営業の本質が試される
「冷やかしかと思ったら、買ってくれた」
これは偶然ではなく、営業の本質が問われた結果です。
売ろうとすればするほど、お客様は引きます。
でも、“楽しませよう”“知ってもらおう”という営業は、信頼され、選ばれる。
📌 覚えておきたい5つのポイント
- 「買うかどうか」より「楽しんでもらう」
- 話すより“観察と気づき”
- 無理に決めさせない
- その人に合った提案だけ
- 買った後の未来を語る
あなたが次に対応する「見に来ただけ」のお客様。
その人が“買ってしまう理由”を、あなた自身が作ってみませんか?
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