■ なぜ「考えて話せない」営業は伸び悩むのか?
営業の現場では、よくこんなタイプの人がいます。
- 頭の回転が速く、瞬時に返せる
- お客様との会話の“ノリ”で盛り上がる
- 反射的にトークを返せるので、その場はうまくいく
こういう人は、センス型の営業とも呼ばれます。たしかに一定の結果は出せますし、場をなごませるのも上手です。
ただし問題は、結果に波が出やすいこと。
✔ 体調が良いときは契約が取れる ✔ 気分が乗らない日は空回り ✔ お客様との相性によってムラが大きい
──つまり、“再現性”がないのです。
そしてその状態では、いつまで経っても「安定して数字を作る」営業にはなれません。
■ センスよりも大事な「考える力」
安定した営業成績を出すために必要なのは、
👉 「考えて話す力」
この“考えて話す力”とは、ただ話す前に一呼吸置くという意味ではありません。
- 会話の全体構成を把握する力
- お客様の心理状態を読み解く力
- 相手の背景や感情を想像する力
これらを総合して、“戦略的に会話を組み立てる力”のことを指します。
■ 私のイメージ:営業は“パズル”を組み立てるようなもの
私は、営業トークを組み立てるとき、よく**「パズルをはめていく感覚」**を持ちます。
契約という“ゴールの絵”が先にあって、 いま商談中の自分たちの位置が“どの辺りか”を確認しながら、 足りないピースを探し、はめていく。
そのピースを探す手段が、「質問」であり「観察」なのです。
■ 現在地とゴールの距離感を測る力
営業マンの中には、「よし、ここでクロージングだ!」といきなり畳みかける人がいます。
でも、よく考えてみてください。
✅ お客様はもう購入を決めていそうですか? ✅ そもそも“買う理由”が整理されていますか? ✅ 誰のために、なぜ必要なのか、本人が自覚できていますか?
これらの要素が揃っていないのにクロージングしても、決まらないのは当然。
つまり、「今どこにいるのか」「何がまだ足りないのか」を見極める力が必要なのです。
■ ピースを埋める“質問力”
不足している情報(ピース)を埋めるには、質問が鍵です。
たとえば:
- 「そもそも、どんなきっかけで検討されてるんですか?」
- 「使うのはご本人ですか?それともご家族も?」
- 「今までにこういう商品を使った経験はありますか?」
質問を通じて、
- 本音
- 優先順位
- 懸念点
- 比較対象 を引き出していくことで、“パズルの全体像”が見えてきます。
■ 会話を“設計”することで、ブレがなくなる
この「パズル型」の考え方が身につくと、 反射的に話す癖が薄れ、
- 状況に応じた話の切り口を選べる
- お客様ごとに最適な順序で進められる
- 話す量ではなく、届ける質で勝負できる
ようになります。
そして何より、気分や体調に左右されにくくなる。
センス型営業が陥りやすい“ムラ”が、小さくなっていきます。
■ 「話せる人」から「導ける人」へ
反射的に話せる人は、たしかに会話は上手です。 でも、営業として一段階上に行くには、
👉 「相手を目的地まで導ける人」になる必要があります。
そのためには、
- 会話の流れを読んで
- 相手の立場に立って
- 必要な情報を引き出して
- 買う理由を“自分の言葉”で語ってもらう
そんな“パズル営業”ができる人こそ、 安定して成果を出し続けられる営業マンになれるのです。
■ まとめ|センス頼みの営業にサヨナラを
営業はセンスではなく、組み立てです。 そしてその組み立ては、考えて、想像して、引き出して、つなげていく“地道な作業”。
でもだからこそ、誰でも身につけることができる力でもあります。
🎯 反射で話す → 戦略的に聞く&話す 🎯 一発勝負 → 再現性ある構造化 🎯 気分で波が出る → 安定して高水準をキープ
“パズルを組む営業”を意識して、 「今日はうまくいった」ではなく、「どう組んでも決まる」営業力を、あなたの武器にしていきましょう。
コメント