はじめに|説明が伝わらない原因は「数字」だった?
「このバイクは300kgで、排気量は1000cc。燃費はリッター20kmで…」
一生懸命説明しているのに、お客様が「へぇ~…」と曖昧な返事しか返さない。
そんな経験、ありませんか?
実はその原因、“数字”が多すぎるからかもしれません。
私たち営業側は、数字でバイクを理解しています。でも、お客様の多くは数字に強くありません。特にバイク初心者ならなおさら。「300kg」と言われても、それが重いのか軽いのか、ピンとこないのです。
そこで効果を発揮するのが「例え話」です。
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例え話が持つ3つの効果
営業トークに例え話を取り入れることで、次のような効果が期待できます。
- 数字が苦手な人にも直感的に伝わる
- 会話がやわらかくなり、警戒心が薄れる
- 記憶に残りやすく、家に帰ってからも印象が残る
これは特に「奥さんに相談してから決めたい」というお客様にも有効で、説明を“持ち帰りやすく”なるという副次的なメリットもあります。
シーン別・使えるたとえ話集
では実際に、営業現場で使えるたとえ話の具体例を紹介します。
①排気量(cc)=「エンジンのパワーの大きさ」
NG例:
「このバイクは250ccなので、軽くて扱いやすいですね。」
改善例(例え話):
「排気量って、エンジンの“心臓の大きさ”みたいなものでして。250ccはちょうど“軽自動車”くらいのパワー感。街乗りや通勤には十分で、取り回しもラクですよ。」
→「軽自動車」と比較することで、イメージがしやすくなります。
②車両重量(kg)=「取り回しの重さ」
NG例:
「300kgあるので、倒れると1人で起こすのは大変かもしれません。」
改善例(例え話):
「300kgって言われても分かりづらいですよね。だいたい“自動販売機1台分”くらいの重さです。立てた状態ならバランスは取れてるので安心ですけど、万が一倒れると、女性1人では起こすのがちょっと大変な重さです。」
→ 重さの“実物イメージ”を伝えることで、納得感が増します。
③燃費(km/L)=「お財布との相談」
NG例:
「リッター25kmなので、燃費はいい方です。」
改善例(例え話):
「このバイクは“1リットル=150円”くらいで、25km走れるんです。つまり、1kmあたり6円ぐらい。片道10kmの通勤なら、毎日往復しても1日120円。缶コーヒー1本分で1日走れちゃいます。」
→ 数字をお金に換算し、日常的な単位に落とし込むと伝わりやすくなります。
④任意保険料(年間)=「安心の月額換算」
NG例:
「年間で6万円くらいかかります。」
改善例(例え話):
「1年で6万円と聞くと高く感じますが、月にすると5,000円。つまり、1日あたり約160円。コンビニのおにぎり1個分くらいで、“いざという時の安心”が買えるって考えると、割に合いませんか?」
→ 年額を“日額”に落とし込むと、心理的なハードルが一気に下がります。
⑤メンテナンス費用=「健康診断のようなもの」
NG例:
「半年に1回くらいは点検した方がいいですね。」
改善例(例え話):
「点検って、“人間でいう健康診断”みたいなもので、調子が悪くなる前に見つけるのが目的なんです。結果として、修理費用も安く済みますし、安全面でも安心ですよ。」
→ 定期点検=ムダな出費ではなく、**“将来の安心の先払い”**という印象を与えられます。
おまけ:例え話の作り方3ステップ
「自分でも例え話を考えられるようになりたい」という方のために、簡単な3ステップをご紹介します。
STEP1|専門用語・数字を書き出す
例)車両重量300kg、排気量250cc、年6万円、など
STEP2|お客様が知ってそうな「身近なもの」に言い換える
例)自動販売機、軽自動車、コンビニ、缶コーヒー
STEP3|「◯◯で言うと△△くらい」とつなげる
例)「300kgって、自動販売機1台分くらいなんですよ」
まとめ|例え話で「売れる営業マン」になる
営業トークのうまい人って、「頭がいい」んじゃなくて「伝え方がうまい」だけなんです。
特にバイクは趣味性が高く、ロジックだけでは決まりません。“言い換え力が高い”営業マンが、数字よりも強い説得力を持ちます。
あなたの言葉ひとつで、「よくわかんないなぁ…」と言っていたお客様が、「なるほど!それなら安心ですね」と笑顔になる瞬間が、必ず来ます。
ぜひ、今日からひとつでも「例え話」を使ってみてください。
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