はじめに|説明が伝わらない原因は「数字」だった?
皆さんこんにちは!
北海道でバイク屋の店長を9年目、営業歴は16年目のゆきヘル店長です。
一生懸命説明しても、お客さんからの反応はイマイチ…。
先輩から「数字を入れて、具体的に説明してみたら?」とアドバイスをもらって、
「このバイクは300kgで、排気量は1000cc。燃費はリッター20kmで…」
と説明しているのに、お客様が「へぇ~…」と曖昧な返事しか返さない。
そんな経験、ありませんか?
実はその原因、“数字”が多すぎるからかもしれません。
私たち営業側は、数字でバイクを理解しています。
でも、お客様の多くは数字に強くありません。
特にバイク初心者ならなおさら。「300kg」と言われても、
それが重いのか軽いのか、ピンとこないのです。
そこで効果を発揮するのが「例え話」です。
数字をそのままぶつけるのではなく、相手の身近なものに置き換えてあげることで、一気に理解度が上がります。
この記事では、私の経験から「例え話で伝える技術」を紹介していきます。
「わかった!」「なるほど!」という瞬間を引き出せれば、商談の主導権はこちらに移り、成約率も大きく変わってきます。
数字だけでは伝わらない理由
営業が数字を好むのはなぜか
営業マンは日々、商品知識や仕様を数字で覚えています。
「排気量1000cc」「馬力120ps」「燃費20km/L」…。
数字は比較に便利で、ロジカルに説明できる材料です。
だからこそ「数字を伝えれば納得してもらえる」と思いがちなのです。
お客様が数字で混乱する瞬間
しかし、お客様の頭の中に“基準”がなければ、その数字は意味を持ちません。
例えば「車重300kg」と言われても、初心者には「それが重いのか軽いのか」が分かりません。
数字は具体的である一方、「相手が知らない世界」だと逆に抽象的になってしまうのです。
「生返事」が出るのは理解できていないサイン
「へぇ〜」「そうなんですね〜」といった生返事。これは理解していないけど、話を止めるのも悪いから流しているサインです。
この時にさらに数字で解説すると、説明が長くなり、かえって壁を作ってしまいます。
解決策は「例え話」でイメージを共有すること
なぜ例え話は刺さるのか
例え話は「知らないことを、知っていることに置き換える」技術です。
バイク初心者が知らないのは“数字の感覚”。
でも、車・家電・日常生活の感覚は誰でも持っています。
そこに橋を架けることで、理解のスピードが一気に上がります。
例え話を作る3つのステップ
- 趣味・生活の情報を集める 雑談で相手の好きなこと(車・スポーツ・家電など)を把握します。
- 仮説を立てて質問で検証する 「車好きかな?」「ロードバイクやってるかな?」と予想を立てて、軽く質問して確かめます。
- イメージしやすい例に置き換える 趣味や生活に即した例えを出すことで、「なるほど!」が引き出せます。※情報の正確性よりもイメージの共有に重きをおくこと!
実践!250ccと400ccをどう説明する?
車好きのお客様向け
- 「軽自動車(250cc)とコンパクトカー(400cc)の違いに近いですね。軽は維持費が安く街乗りに便利。コンパクトは余裕があって高速でも安心です。」
- 「250はカローラ、400はクラウンみたいな感覚です。どちらも走れますが、クラウンは余裕がある分、維持費も大きくなります。」
自転車・ロードバイク好きのお客様向け
- 「クロスバイク(250cc)とロードバイク(400cc)のイメージです。クロスは気軽で街乗り向き。ロードは長距離やスピードが得意です。」
- 「変速ギア少なめ(250cc)と多段ギア付き(400cc)の違いに近いですね。多段は便利ですが、普段の街乗りには必要ないこともあります。」
家電好きのお客様向け
- 「1ドア冷蔵庫(250cc)と2ドア冷蔵庫(400cc)みたいなものです。1人なら1ドアで十分。でも家族なら2ドアが安心。ただし電気代やスペースも大きくなります。」
- 「電子レンジなら700W(250cc)と1000W(400cc)の違い。どちらも料理はできますが、1000Wはパワーがある分オーバースペックになる場合もあります。」
スポーツ好きのお客様向け
- 「草野球の金属バット(250cc)とプロ仕様の木製バット(400cc)の違いに近いです。金属は扱いやすく、木製は本格的だけど重さがある。」
- 「ジョギングシューズ(250cc)とマラソンシューズ(400cc)の違い。軽い運動なら250で十分、長距離なら400の方が楽です。」
日常生活に置き換えるなら
- 「アパート(250cc)と一戸建て(400cc)の違いです。アパートは手軽、一戸建ては余裕があるけど維持もかかります。」
- 「スマホ容量でいうと64GB(250cc)と128GB(400cc)の違い。普段使いなら64GBで十分ですが、動画やゲームを楽しむ人は128GBが安心です。」
例え話を活用するメリット
数字の説明に時間をかけなくて済む
例え話を使えば、難しい数字を何分も解説する必要がなくなります。その分、契約に向けた話し合いに時間を使えます。
お客様が自分で納得できる
「なるほど、そういうことか」と腑に落ちれば、お客様は自分で選んだ感覚になり、決断が早まります。
初心者に安心感を与えられる
難しい用語で不安にさせるのではなく、身近な言葉で安心させることができます。初心者のお客様ほど効果的です。
まとめ|「数字」より「伝わること」を優先しよう
営業において数字は大切ですが、それ以上に「伝わること」が重要です。
数字はあくまで道具であり、目的ではありません。
例え話を交えれば、お客様は「この人、わかりやすいな」と感じ、信頼してくれます。
数字で詰め込むより、相手に届くように変換する。
これこそが成約率を高めるための、本当の「具体的な説明」です。
ぜひ次の商談から、数字の前に“例え話”を添えてみてください。
きっとお客様の「なるほど!」の一言に出会えるはずです。
参考までに、私がこの記事で紹介した伝える技術を学んだ一冊です。
いろんな表現の切り口があり、大変参考になったので
もし、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください!
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