営業はセンスじゃない。技術で勝てると証明した話

「売れてる営業って、センスが良い」
新人の頃、何度この言葉を聞いたかわかりません。
バイクが好きで入社したものの、営業はまるで結果が出ず、周りの先輩と比べて落ち込む毎日。
でも、今ならはっきり言えます。

営業はセンスじゃない。技術で勝てます。

この記事は、営業の世界に馴染みがない営業初心者さんから、なかなか結果のでないベテランの方に役に立つ内容になっています。
「自分はセンスが無いから営業には向いていない」「人見知りだから営業職はちょっと・・・」
と、営業に自信がない方でも、着実に契約への道を歩めるように、売れない理由から、具体的な対策までを網羅しています。
ぜひこの記事を読んで、結果を出していきましょう!


目次

「売れない時期」に共通していた思い込み

私が入社したばかりの頃、売れない理由をずっと“自分の人間性”のせいにしていました。
「トークが下手だから」「緊張して声が小さいから」「自信がないから」――。
けれど、今思えばそれはすべて“根拠のない思い込み”でした。

お客様は、こちらの“センス”を求めていません。
求めているのは、「自分に合った提案をしてくれるか」という一点だけ。

つまり、相手を理解し、提案を組み立てる「技術」を磨けば、誰でも結果を出せる。
そう気づいてから、私の営業人生は一変しました。


成果が出ない営業マンに共通する3つのズレ

自分が話しすぎている

営業は話してナンボ。
お客さんを目の前にすると、「沈黙の時間があってはならない。」と、矢継ぎ早に話しまくる営業さんをよく見かけます。語弊を恐れず言うなら、大体そういうマシンガントーク系の営業さんはあまり売れていない。なぜなら、軸が自分にあるから。
「沈黙の時間が怖い。」「お客さんに説明しなければならない。」――自分中心の説明になっている。
でも、お客様は“説明”ではなく“納得”を求めています。

相手の目的・理由を聞いていない

例えば、
「レブルありますか?」
と、お客さんに聞かれた時に、
「ありますよ!こちらにどうぞ!」
と、ご案内し、車両を前に出して、エンジンをかけて、見積もりを作って、と親切・丁寧で感じの良い営業対応ができているはずなのに、なぜか売れない・・・

なんで、このお客さんはレブルがあるかどうかを聞いてきたのか。
その理由と目的を聞かないことには、どのように提案すればいいのかわからない。

売れていない営業さんは、この力が特に弱いと感じます。
このタイプの方は、素直で心優しい、ホスピタリティに溢れる、いわゆる「いい人」たちに共通している特徴です。お客さんの言っている言葉を額面通りに受け止めてしまって、相手の発言の裏側まで考えが及んでいない為、刺さらない提案をし続けて時間切れになっているケースが多い。

ヒアリングが“尋問”になっている

営業はヒアリングが大事。

私に言われるまでもなく、至る所で言われている事実です。
実際、私も新人教育の際ヒアリングの重要性は必ず伝えます。

しかし、表面だけの理解でヒアリングに臨むと「質問」ではなく「尋問」になっていて、お客さんが不快な思いをしてしまうケースが多い。

上記の来店の目的や理由を聞き、それを裏付けるための情報を集めるために必要なヒアリングなので、只々たくさんの情報を集めるだけの会話はNG。

これらのズレを直した瞬間、成約率が目に見えて変わりました。
まるで魔法のように見えた変化も、実はただの“構造的修正”だったのです。


センスを技術に変えた3つの習慣

派手なスキルではありません。誰でも今日から真似できます。

会話の目的を明確にする

営業の会話は、雑談ではなく設計図です。
「この会話で何を引き出したいのか」「次の提案にどうつなげるのか」を意識するだけで、ムダなトークが消えます。

たとえば「通勤で使う」と言われたら、すぐに「通勤距離」「今の通勤方法」「(車であれば)その車の燃費」「保管場所」「会社には許可が必要なのか」「職場に持っていく荷物のサイズと量」を聞く。

・通勤距離/車の燃費
ー今の車の燃費と提案する車両の燃費差を計算し、「ガソリン代だけで○年で元が取れますよ」という流れに持っていきたい。
・保管場所/会社の許可
ー購入にどれくらいのハードルがあるかを確認し、今日契約できるかどうかのお客さんの温度感がわかる。
・荷物のサイズと量
ー収納力や積載性から車種選びがしやすくなる。
など

このように提案が現実的になり、信頼を得られます。

仮説を立てて話す

上手い営業は“相手の次の言葉”を予測しています。
「この人は“安心”を求めているタイプだな」「家族の反応を気にしているな」――。
仮説を立てて話すと、会話に“先回り”が生まれ、流れがスムーズになります。

仮説が外れてもいいんです。修正すればいい。

ただし、

外れた時こそすぐに質問をして、相手の考えを確認することが大事。

そこで確認しておくと、相手の本音や考え方が見えるから、相手に寄り添った提案ができる。
その結果、お客さんの納得感の高い商談ができます。つまり、売れやすくなります。

振り返りを仕組みにする

「なんとなく上手くいった」「なんとなく失敗した」では成長しません。
私は商談のたびに、「何を聞いて、どこで詰まったか」をノートに記録していました。
そして、そこで「この質問」に「こう答える人」は「どんなことを考えている」のだろうと数パターンの仮説を立てる練習をし続けました。
一週間も続けると、いろんな考え方をするお客さんと頭の中で商談シミュレーションができます。
一度自分の中で商談の道筋を作れると、次回からの商談時に驚くほど早く次の会話が予想できるので、会話のテンポが良くなり商談がどんどん進んでいきます。

営業は経験の積み重ねで上達する“スポーツ”のようなもの。
フォームを見直す習慣をつけるだけで、上達速度は一気に上がります。


結果が出ると、人見知りさえ強みに変わる

私はもともと、人見知りで会話が苦手でした。
しかし技術を積み上げていくうちに、“無口なタイプ”にも利点があると気づきました。

静かに相手の話を聞く姿勢は、信頼を生みます。
焦らず、ゆっくり相手のペースで話す――それだけで、心の距離は自然と縮まります。

つまり、どんな性格も“技術”で活かせる。
センスの代わりに、仕組みを持てばいいのです。


技術で勝てる営業の共通点は“再現性”にある

ここまでやってきて、ひとつ確信しています。
成果を出す営業マンには、共通の特徴があります。

それは――再現性です。

たまたま売れたのではなく、「なぜ売れたのか」を説明できる。
その力こそが、技術です。
感情やテンションに頼らず、誰でも同じ結果を再現できる。
それが、長く続く“強さ”になります。


あなたが明日からできる3つのアクション

一日の商談を振り返って感情変化をメモする

成功・失敗の本質は「お客様の感情変化」にあります。
何が“安心”につながり、何が“不安”を呼んだのかを一言で書き出してみましょう。

次の会話で聞きたいことを一つ決める

雑談を“目的化”するだけで、会話の質が変わります。
「今日はこの一言を引き出す」と決めるだけで、話が自然に深まります。

「売れた理由」「断られた理由」をセットで考える

どちらも貴重な分析の素材です。
感情ではなく構造で考えることで、営業力が一段階上がります。


最後に伝えたいこと

営業の世界では、「才能」や「センス」といった曖昧な言葉が多く飛び交います。
でも、本質はもっとシンプルです。

営業は、技術職です。

学び、練習し、検証すれば誰でも伸びる。
センスに悩むより、技術を積み重ねたほうがはるかに確実です。

もし今、結果が出ずに悩んでいるなら――
それは「才能がない」のではなく、「技術を体系化していない」だけ。

明日から一歩ずつでいい。
営業の世界は、センスよりも努力の積み上げをきちんと評価してくれます。


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